5000形の車両に関して紹介いたします(写真・走行音に関しては、下部に掲載の各車両ごとのページからご覧[お聞き]下さい)。 2011年 5月 1日に、ワンマン運転対応の改造車両について追記を行いました。 もし間違いを発見された場合は、お手数ですがメールにてR.S.まで指摘していただければ幸いです()。
(5000形新型車両としては2期目の投入となる519号車[2枚とも虎根さん提供])
5000形は、東豊線7000形3次車を元にして作成された車両です。 従来はチョッパ制御でしたが、この形式の車両からVVVFインバータ制御となりました。
参考までに、5000形の主な仕様等をあげておきます。 (札幌市交通局発行の『さっぽろの市営交通 2007』(http://www.city.sapporo.jp/st/ST2007/st2007.html / リンク切れ / 5ページ)・講談社発行の『The 地下鉄』を参考にさせていただきました。)
車種 | 5100 | 5200 | 5300 | 5400 | 5500 | 5600 |
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Tc1 | M1 | M2 | T | M3 | Tc2 | |
定員 (座席定員) |
128人 (42人) |
143人 (45人) |
143人 (48人) |
143人 (48人) |
143人 (45人) |
128人 (42人) |
自重 | 5000形1次車(501号車) | |||||
23.1t | 25.3t | 25.7t | 22.4t | 25.3t | 23.3t | |
5000形2~5次車(502~517号車) | ||||||
22.8t | 25.2t | 25.4t | 22.8t | 25.2t | 23.2t | |
ワンマン運転対応改造車 [*1] | ||||||
23.6t | 25.8t | 26.0t | 23.8t | 25.9t | 23.8t | |
5000形6~8次車(518~520号車) | ||||||
23.7t | 25.8t | 26.0t | 24.0t | 25.8t | 23.7t | |
在籍車両数 |
20編成×6両 = 120両 [2012年 2月11日現在] |
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台車 | 案内軌条方式 2軸ボギー台車 (KW111) | |||||
タイヤ | E275/75R17.5 | |||||
車体長 | 18000mm (各車両ごと) | |||||
車体幅 | 3080mm (各車両ごと) | |||||
車体高 | 3730mm (各車両ごと) | |||||
床面高さ | 1145mm (各車両ごと) | |||||
電気方式 | 直流750V 第三軌条方式 | |||||
制御方式 |
VVVFインバータ制御 (回生ブレーキ・応荷重装置付き) |
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ブレーキ | 回生ブレーキ連動補足ブレーキ付き全電気指令電磁直通液圧変換式 | |||||
送風装置 | ラインデリア (ゆらぎ制御) | |||||
最高速度 | 70.0km/h | |||||
加速度 | 4.0km/h/s | |||||
減速度 |
常用ブレーキ : 4.0km/h/s 非常ブレーキ : 5.0km/h/s |
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行先表示 |
LEDで表示 |
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LED表示一覧 [*2] | ||||||
麻生 | 北24条 | 大通 | 平岸 | 自衛隊前 | 真駒内 | |
試運転 | 回送 | ----- | ||||
放送装置 |
車内放送装置 自動放送装置(日本語・英語・広告放送) (通常は自動放送装置を使用) |
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保安装置 | ATC 2重系 | |||||
無線装置 | 直接結合式誘導無線装置 |
[*1] : 現時点では502・503・504・505・506・507・508・509・510・511・512・513・514・515・517号車が該当。 (試運転時に虎根さんと私が調査。 5000形6~8次車の自重は虎根さんが調査。)
[*2] : 「試運転」及び「回送」は赤で表示 それ以外は橙で表示
因みに、「車種」の項目の記号は、以下のような意味を表します。 5000形においては、3M3T(電動車3台・付随車3台)の構成になっております。
経年により老朽化した2000形の車両を全て置き換えるために新しく登場したのが5000形です。 この5000形は、まず始めに1995(平成7)年に501号車が登場いたしました。 その後1996(平成8)年以降次々と5000形が導入され、1999(平成11)年に517号車が導入されるまで2000形との置換が続きました。
そして、2009年からホーム柵設置などの関係で3000形を淘汰し、新たに5000形3編成(518~520号車)を導入していました(詳細は後述)。
なお、一番最初に導入された5000形501号車は1995(平成7)年製造であり、先述の通り今後2009(平成21)~2011(平成23)年の間に3編成の新造車両ができる予定なので、(マイナーチェンジがあるとはいえ、)5000形は3000形より製造期間が長くなります。 (3000形は1978(昭和53)~1990(平成2)年の間の12年間製造。5000形は1995(平成7)~2011(平成23)年の間の16年間製造)
従来札幌市交通局で導入されていた車両は、2000(1000)形は抵抗制御、それ以外はチョッパ制御でした。 ですが、5000形からはVVVF(IGBT)となり、その次に導入された8000形もVVVFとなりました。 (ただし、5000形の初期に導入された編成は後に制御装置の交換を行っている車両もあるようで、走行音が現在のものと異なる編成があったみたいです。 市電の方では既に8500形がVVVF(RCT)を導入していましたが、5000形の前に導入された7000形は、1994(平成6)年度に導入された編成も含めてチョッパ制御のままでした。)
車体長は、従来の南北線車両は13.8mでしたが、5000形では東西線・東豊線の車両と同じく18mに改められました。 (2000・3000形は8両編成でしたが、これにより6両編成に減らされました。 南北線の駅はホームの長さが短いため、これ以上1編成あたりの車両数を増やすのは厳しいです。)
また、従来南北線は2000形・3000形共に2ドアでしたが、ラッシュ時やイベント等で混雑した際に乗降をしやすくするためか、5000形は4ドアとなりました。 これは札幌市営地下鉄、ひいては北海道の鉄道車両としては初めてのことで、道内の4ドアの鉄道車両は現在も5000形だけです。 (参考…3ドアの車両に関しても、道内は札幌市営地下鉄6000・7000・8000形と、JR北海道711系の3ドア改造車両(元々は2ドア)・721系・731系・キハ201系のみとなっています。)
上記の経緯があるため、2000・3000形と5000形ではドアの位置が異なり、5000形導入時に各駅のホームに青色の乗車口を設けました。 (従来の2000・3000形の乗車口は、緑色の乗車口となりました。 各駅においても、到着前にどちらの乗車口なのかを案内するようになりましたが、2000形が全廃した後、乗車口が緑色(3000形)になる場合のみ案内するようになりました。)
5000形は、外観は東豊線7000形(ただし、3次車[716~720号車。後に出来た車両]の方)を元にして改良されました。 もちろん、ラインカラーは南北線にあわせて緑になっており、ドアが緑色で塗りつぶされています。 また、7000形まであった車両の角張りを一部丸くしております。 5000形は、後に東西線8000形のモデル車両となりました。
車内の様子はデザインが改められ、7000形とは全く違うものになりました。 内壁は3000形と同様のクリーム色のものになっています。
座席は従来通りロングシートですが、座席のシートの色が茶色(専用席は緑色)ベースのものになりました(従来はオレンジ(専用席は青))。 座席の下は、従来は車両の機器類が配置されていましたが、5000形(6次車含む)では片持ち式の座席(座席の下に機器類が無くて空洞になっている)となりました(8000形は再び座席下に機器類が配置されています)。 また、5000形から車イス専用スペースが設けられるようになり、8000形にも受け継がれています(その後、2000形を除く旧型車両においても改造工事が行われ、5000・8000形に比べると狭いものの、車椅子専用スペースが作られました)。
5000形になって新たに導入された設備のうち、主なものを紹介いたします。
行先表示は車両前面に設置され、幕ではなくLED式となっています。 これは、恐らく7000形3次車から引き継がれたものと思われます(ただし、表示部の大きさは7000形のものより大きくなっています)。
(本当は次駅案内表示システムの中でLEDによるものと液晶ディスプレイによるものとで分類した方がいいと思うのですが、都合上別分類のものとして扱いました。)
こちらも、7000形3次車から引き継がれたものです。 各車両のドア上部に設置されており、「路線図のみ」のものと、「路線図と、その下にLEDの表示装置があるもの」の2種類が存在します。 (LEDの表示装置は千鳥配置(互い違い)となっています。)
さらに、2006(平成18)年 3月末頃から既存車両のドア上部にある各駅案内の駅名の下部に「N01 N02 N03 ………」とナンバリング表記が印刷されたシールが貼られ、ナンバリングに対応いたしました。
なお、広告の右側にあるのは非常ドアコックで、恐らく丸いボタンを押すとドアコックがあり、ドアコックを操作することによりドアを手で開けることができるものと思われます。 (8000形も同じ場所に非常ドアコックがあり、当初は上記の写真と同じタイプでしたが、こちらは後にハンドル式になっています。 5000形は今も上記の写真の状態のままになっています。)
(虎根さん提供の液晶ディスプレイによる次駅案内表示システムの写真です。)
次駅案内表示システムは、LEDによる単純な構成であったものから、約10年の歳月を経て液晶ディスプレイ(LCD)によるものへと進化しました。 表示内容は様々あるようなのですが、全てを網羅しきれている訳ではないため、一部の画像のみを用いて紹介いたします。
次駅案内が画面によるものになったことにより、掲載できる情報の自由度が高まりました。 日本語による案内はもちろんのこと、英語・韓国語・中国語による案内も表示されるようになりました。 (ただし、路線図などは日本語と英語のみの案内となります。)
掲載される情報に関しては、虎根さんやサクさんからいろいろと情報をいただきましたので、2人の情報をまとめました。 (どうもありがとうございますm(__)m)
基本的な表示内容に関しては、1画面中に3段による表示がされており(1:2:7ぐらい)、以下の通りとなっているようです。
さらに、駅の到着が近付くと両側の画面においてホームの出口案内が行われてから、「こちら(反対側)のドアが開きます」という表示がされるそうです。 ドアが開いた方にある画面は、ホームと出口の案内が表示されたりするそうです。 その反対側にある画面には、1段目に「ST 南北線 ☆号車」、2段目に「真駒内(麻生)ゆき」、下半分にそこから先の路線図が表示されるそうです。 (この時と終点の前の一駅間では、1段目に行き先は表示されないとのことでした。)
なお、麻生・真駒内の発車前は下半分に「ST(その下に)札幌市交通局 (右半分に)札幌市営地下鉄をご利用いただきましてありがとうございます」と表示されたり(麻生のドアが開くまでは全面にその表示で、試運転時も全面に同様の表示がされていたようです)、走行中下半分にかけこみ乗車・携帯OFF・専用席のマナー啓発や安心車両の案内が表示されるそうです。
その他、2枚目の写真左側に表示されている乗ってeco!(乗ってコ!)プロジェクトの広告は複数の種類があったそうです。 非常ドアコックは、5000形1~6次車のものと同じタイプのようです。
5000形から新たに日本語による自動放送が導入され、導入当初から開始いたしました。 その後、2003(平成15)年から英語・広告放送も開始されております。 (これに伴い、8000形も自動放送が導入され、2005年9月末から英語・広告放送も開始しています)
なお、5000形6次車以降の車両においても、自動放送は同一のものを使用しているようです。
従来の車両は、運転する際にマスコン(走行させるときに動かす装置)とブレーキの2つが別々に配置されていましたが、5000形からはそれらが1つにまとまったワンハンドルマスコンとなりました。(後に導入された8000形もそうなっています。)
韓国のテグ市における放火事件に伴う法令改正により、今後新製する車両において貫通扉の設置が義務付けられたため、6次車以降の車両は8000形新型車両と同様に貫通扉が設置されています。 この扉は、5100~5500の北側に取り付けられているそうです。 (5600にはありません。)
扉の取っ手は、8000形では固定されていて動きませんが、5000形に設置されたものは回転するようになっているそうです。 また、8000形では赤を基調とした「ドアに注意」のステッカーが貼り付けられていましたが、先述の乗ってeco!プロジェクトに合わせ、緑を基調として同プロジェクトのキャラクター(乗ってこ~ず)が描かれたステッカーが貼り付けられているようです。
従来の車両は、車両外側の連結部付近には隙間があり、特に幌平橋や平岸駅のように駅のホームにカーブがあると、誤ってそこから転落してしまう可能性も考えられます。 それを防ぐのが外幌で、写真で示している通り、連結部付近の隙間をふさいでいます。 (写真は508号車の5308~5408間です。)
この外幌は、5000形から設置されるようになりました。 なお、一部の5000形車両においては、外幌の部分にAlマークが貼られている車両もあります。 札幌市営地下鉄の車両はアルミニウムで作られているのですが、外幌の部分にはリサイクルされたアルミニウムが使われているようです。 (外幌は、後に3000形や8000形にも取り付けられましたが、それらは5000形より小型のものになっています。)
(518号車の外幌及びその周辺の写真[虎根さん提供])
なお、5000形6次車(2009年に増備された車両)に関しては、8000形と同様の小型の幌になっています。 これに関しては、今後2010・2011年に導入されるであろう7・8次車も同様のものになるものと思われます。
5000形では空気笛のみを採用していて、駅に近づくときなどに鳴らす警笛は、6000・3000・7000形の警笛の音とほぼ同じとなっています。 ドアを閉める際の予告音は、5000形はどの編成もだいたい似たような音になっています。
この5000形は、先述の通り当初は2000形と置換するために製造されました。 しかし、今度は3000形車両を置換しようとしています。 何故なのかと言いますと、3000形の車両紹介のページでもある程度説明しましたが、今後南北線に可動式ホーム柵を設置する予定で、5000形とドアの位置が違う3000形と共通化するのは困難を極めるからです。
札幌市交通局発行の『交通局実施プラン 平成21年度』のPDF(→http://www.city.sapporo.jp/st/kotsu_jisshi_plan/kotsu_jisshi_plan21-1.pdf / リンク切れ)の8ページ「新型車両の導入」によれば、(2009(平成21)年度から)2011(平成23)年度までに3編成を更新する計画なんだそうです。 今年導入される車両は既に南車両基地に搬入されており、2009年 9月 9日(水)に報道公開されました。 (当日、北海道の放送局であるHBC(TBS系列)・HTB(テレビ朝日系列)・UHB(フジテレビ系列)において、そのことに関するニュースが流れたようです。)
なお、『交通局実施プラン 平成22年度』のPDF(→http://www.city.sapporo.jp/st/kotsu_jisshi_plan/kotsu_jisshi_plan22-1.pdf / リンク切れ)の6ページ(PDF上では8ページ)「新型車両の導入」に(平成22年度は)1編成導入するということが記載されています。 さらに、同文章の3ページ(PDF上では5ページ)の「火災対策(車両間仕切り扉の設置)」の項目において、(新型車両に設置している仕切り扉について)「平成22年度1編成、平成23年度に1編成を導入する計画となっています。」と記載していることから、2010年度・2011年度にそれぞれ1編成ずつ増備されると見てほぼ間違い無いものと思われます。
(2012年2月11日追記) 実際に、2009年には518号車、2010年には519号車、2011年には520号車が製造・投入され、いずれの車両も各年11月に運行を開始しております。
ここでは、新しく導入される5000形新型車両及び改造された5000形車両に関して、現在分かっていることを記載していきます。 基本的には8000形新型車両と似た感じになっているみたいですが、次駅案内表示システムが液晶画面になったということが最大の目玉だと思います。
とりあえず、8000形の車両紹介のページで記載しているような感じで、現在分かっていることを箇条書きで示したいと思います。
ざっとこんな感じでしょうか。 なお、8000形はワンマン化の前に非常ドアコック(非常時に手でドアを開けれるようにする装置)のカバーを開ける部分の形状をハンドル式のものに変更しましたが、先述の通り、5000形は今も(新型車両も含め)現状のボタン式のもののままで変更されていないようです。
1995(平成7)年~1999(平成11)年の間に製造された5000形車両(1~5次車)のうち、ワンマン運転対応改造を施された、あるいは現在改造中の車両を紹介いたします。 (リストの中の3桁の数字は何号車なのかを表す。[]内は導入日。)
また、以下の車両は導入時からワンマン運転(ATO)に対応しております。
R.S.が撮影した写真は、[]のアイコンで表します。 なお、一部の写真は、べるずさん[]・トレインボーイさん[]・テンテンさん[]・305号車さん[]・コデーラさん[]・sumikawaさん[]・6101さん[]・虎根さん[]・南郷さん[]・でらっちさん[]・サクさん[]提供の写真です。 この場を借りて、深く御礼申し上げますm(__)m
となっている号車は、走行音も試聴できます。
2012年 2月11日(土)現在、5000形1~5次車(2000形置換の為の初期投入車両)のうち、501号車と516号車がワンマン運転未改造です。