3000形の車両に関して紹介いたします(写真・走行音に関しては、下部に掲載の各車両ごとのページからご覧[お聞き]下さい)。 2011年 5月 1日に、一部を現状に合わせた文章に修正いたしました。 もし間違いを発見いたしましたら、お手数ですがメールにてR.S.まで指摘していただければ幸いです()。
(301号車の初期塗装[でらっちさん提供] 前面は、すぐに薄緑一色に塗り直されました)
3000形は、東西線6000形を元にして、南北線用に作り直されたものです。 1編成あたりの車両数・ドア数に関しては、2000形に順序して8両編成・2ドアとなっております。
参考までに、3000形の主な仕様等をあげておきます。 (札幌市交通局発行の『さっぽろの市営交通 2007』(http://www.city.sapporo.jp/st/ST2007/st2007.html / リンク切れ / 5ページ)・講談社発行の『The 地下鉄』を参考にさせていただきました。)
車種 | 3100 | 3200 | 3300 | 3400 | 3500 | 3600 | 3700 | 3800 |
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Mc | Mch | Mch' | M' | M | Mch | Mch' | Mc' | |
定員 (座席定員) |
82人 (32人) |
96人 (42人) |
96人 (42人) |
96人 (42人) |
96人 (41人) |
96人 (42人) |
96人 (42人) |
82人 (32人) |
自重 | 19.3t | 18.6t | 18.5t | 18.4t | 17.9t | 18.6t | 18.5t | 19.6t |
在籍車両数 |
1編成×8両 = 8両[*1] [2012年 2月11日現在] |
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台車 | 案内軌条方式 2軸ボギー台車[*2] | |||||||
タイヤ | E11R22.5 | |||||||
車体長 | 13800mm (各車両ごと) | |||||||
車体幅 | 3080mm (各車両ごと) | |||||||
車体高 | 3725mm (各車両ごと) | |||||||
床面高さ | 1145mm (各車両ごと) | |||||||
電気方式 | 直流750V 第三軌条方式 | |||||||
制御方式 |
サイリスターチョッパ制御装置 (回生ブレーキ・応荷重装置・弱界磁制御付き) |
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ブレーキ | 回生ブレーキ連動補足ブレーキ付き全電気指令電磁直通液圧変換式 | |||||||
送風装置 | ラインデリア | |||||||
最高速度 | 70.0km/h | |||||||
加速度 | 4.0km/h/s | |||||||
減速度 |
常用ブレーキ : 4.0km/h/s 非常ブレーキ : 5.0km/h/s |
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行先表示 |
方向幕で表示 (302号車のみ、最大で全角4文字表示可能の橙のLEDで表示) |
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方向幕(LED)表示一覧 [*3] | ||||||||
麻生 | 北24条 | 大通 | 平岸 | 自衛隊前 | 真駒内 | 試運転 | 回送 | |
麻生←→真駒内 (方向幕のみ) |
北24条←→真駒内 (方向幕のみ [*4]) |
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麻←→真 (LEDのみ) |
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放送装置 |
車内放送装置 自動放送装置(日本語・英語・広告放送) (通常は自動放送装置を使用) |
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保安装置 | ATC 2重系 | |||||||
無線装置 | 直接結合式誘導無線装置 |
[*1] : 当初は301号車~305号車の5編成40車両が在籍していた。 301号車は2003(平成15)年 4月 1日から使用停止になり、2005(平成17)年 5月、廃車された。 303号車は2010(平成22)年 2月、302号車は2011(平成23)年 3月(、304号車は2012(平成24)年 2月?)をもって車籍が抹消されたとの噂あり。
[*2] : 連接台車となっていて、3100と3200、3300と3400、3500と3600、3700と3800の車両の間にもタイヤが設置されている。
[*3] : 方向幕は、矢印は赤、それ以外は黒で表示される。 また、LED(302号車)は、試運転・回送表示は赤、それ以外は橙で表示される。 昔は「麻生←→真駒内」の表示が使われていたが、現在は「麻生←→真駒内」、「北24条←→真駒内」及び「麻←→真」の表示は使われていない。
[*4] : 快速エアポートさんのご指摘により、記載漏れに気付きました。 どうもありがとうございますm(__)m
因みに、「車種」の項目の記号は、以下のような意味を表します。 3000形においては、8M(全て電動車)の構成になっております。
3000形は、既存の2000形を補う形で東西線6000形を元にして作られたものです(6000形同様、チョッパ制御となっております)。 8両編成で、(1両の片側で)2つドアがあります(ドアの位置は2000形とほぼ同じです)。
1978(昭和53)年、2000形を増強する形で301号車が第8次車として導入されたのを皮切りに、最終的に1990(平成2)年に305号車が導入されるまで、計5編成が導入されました。 つまり、実に12年間に渡って3000形が製造されていたことになります。 製造年に開きがあるためか、例えば305号車のみ(車両内側の)ドア上部に出っ張りがあるなど、各車両において微妙な違いがあります。
この車両は、2000形同様 連接台車(連結部付近にも台車がある状態)となっていて、貫通路もかなり広くなっています。 座席や駅に到着するときに鳴らす警笛(空気笛)の音は、6000形のものと同じです(ただ、2ドアで連接台車を採用している都合上、座席の配置の仕方は若干異なります)。 ただし、発車前のドア閉めの際に鳴らすブザー音は、301号車は6000形の初期に導入された編成と同様にけたたましい音でしたが、それ以降の号車(と、後に製造された他形式の車両)はそれよりおとなしい音になっています。
当初、301号車の前面は深緑で塗られていて、側面は当初から今と同じような色で塗られていたらしいですが、評判が悪かったのか、すぐに今のような形(前面・側面共に薄緑で、側面に緑のラインが入っている)に塗り直されたらしいです。 他にも、301号車のみ方向幕の字体が若干異なったり、前述の通りブザー音も異なっていました。
車内の壁はクリーム色で、バラの絵が薄く描かれております。 (3000形の前に製造された東西線6000形には時計台など札幌の観光名所の絵が描かれていましたが、3000形はそれより抑えられたものになりました。)
2000・3000形は8両編成で(1両の片側で)2つドアがある(2ドア)のに対し、5000形は6両編成で4ドアとなっていますので、2000・3000形と5000形とで乗車位置がずれてしまいます。 各駅には、元々(看板や乗車番号が)緑色の乗車口がありましたが、5000形導入に伴って新たに各駅のホームにて青色の乗車口を設置し、緑色と青色のテープを乗降口付近に貼りました。 もちろん、青いテープは5000形の乗車口で、緑色のテープは3000形の乗車口です。
また、それと同時にホームの到着・発車の案内放送も更新され、3000形が駅に到着する場合、事前に「次の×××方面にお乗りの方は、緑色の乗車口でお待ちください。」(×××=通常では、麻生・真駒内・自衛隊前のいずれか)と言うアナウンスが、3000形到着までの間に2回流れるようになりました(かつて2000形が来た時も同様のアナウンスが流れていました)。 さらに、同時期、南北線各駅ホームにLEDによる案内表示が追加され、そのLEDにおいても、先程のアナウンスと同等の案内が文字でなされております。
3000形は、車両導入後 僅かな変化ながら何度か更新されております。 1998(平成10)年頃に3000形の座席等の更新作業が行われたのが、恐らく最初になるのではないかと思います。 (ただし、比較的製作年度が新しい305号車は、このとき座席を更新していません。)
このときに、導入時から装備されていた5000形に続き、3000形にも写真にあるような外幌が追加されたようです。 (写真は3404と3504の間にある外幌です。) この外幌は、5000形のものと比べて小型のものになっております。
その後、2003(平成15)年に301号車が運用停止となり、302号車の方向幕がLED化されました。 さらに、同年既に5000形で始まっていた自動放送が導入され、5000形と同様に英語・広告放送がはじまりました。 どうやら、3000形と5000形とでは自動放送の声のイントネーションが若干違うようで、それぞれ別に収録されているものと思われます。 (ただし、2009年に変更された携帯電話のマナーに関する放送に関しては、東西線8000形の自動放送と同じ方による放送であるものと思われます。)
ただ、自動放送が導入されたとはいえ、5000形から導入された次駅案内表示(車内ドア上部のLEDと路線マップによる案内表示)に関しては、早期に廃車されると見込んでいたのでしょうか、3000形には導入されませんでした。
その後は2004(平成16)年に専用席の位置変更が行われたぐらいで、車両改造は最低限に留めているものと思われます。
2004(平成16年)に札幌市営交通局のWebサイトで いわゆる「10か年計画」が発表され(Adobe Readerがインストールされていれば、現在もご覧になることが出来ます)、2014(平成26)年度に南北線のワンマン運転を開始することが明示されました。 これにより、あくまで公式的な見解ではありませんが、「ワンマン運転が始まる前までに3000形が全編成廃車になるのでは?」と噂されています(詳細は下の文章を参照)。
(注意 : 上の写真は305号車さん提供で、許可を得て撮影されたものです)
301号車は、2003(平成15)年 4月 1日から通常の運用に入らず使用を休止し、しばらくの間南車両基地に残されていました。 (2005年、305号車さんから301号車の使用休止後に南車両基地に行かれた時に撮影された301号車の写真を提供していただきました。 もっとご覧になりたい方は、301号車のページを参照してください。)
なぜ301号車が廃車されたのかということにつきましては、公式な見解等は残念ながら発見できておりません。 しかし、2003年 4月に札幌市営地下鉄全線でダイヤ改正が行われ、南北線の運用本数の削減が行われたことから、編成数余剰により、当時車齢が一番古かった301号車を廃車したのかもしれません。
しばらく南車両基地内に留置されていましたが、結局2005(平成17)年 5月頃、残念ながら301号車が廃車となってしまいました。 301号車がまだ運行に入っていた頃、その当時は(今もですが)南北線に乗る機会はあまりなく、ましてや301号車に乗車した回数もあまり多くありませんので、今となっては非常に残念でなりません.....
301号車は他編成に先駆けて廃車されてしまいましたが、他の3000形(302~305号車)はこの先一体どうなってしまうのでしょうか?
これもあくまで個人的な推測ですが、残念ながら3000形はワンマン化前までに全編成廃車となってしまう可能性が高いものと思われます。 何故かといいますと、ワンマン化する際に各ホームの乗降口に稼働式ホーム柵を設置し、地下鉄が駅に入線した時だけ乗車口付近のドアが開くようになるシステムを導入する予定だからです。 もしホーム柵を導入するということになると、既出の通り3000形は5000形と乗車位置が異なるため、それぞれの車両に対応させるようにしてドアを設置するのは困難だと思われます。
また、札幌市交通局発行の『札幌市営地下鉄事業10か年経営計画』には「将来3編成削減する」という趣旨の内容が明記されています。 実際、南北線では301号車が置換されずに廃車されて1編成を削減し、東西線では6000形を8000形に置換する際に2編成を削減しています。 (東西線の車両削減に関する詳細は6000形の車両紹介・8000形の車両紹介等のページをご参照願います。)
この3000形の車両紹介の文章を執筆した当初から数年経過していますが、最近は3000形の置換を暗に示すような文章が公になっています。 それが『交通局実施プラン 平成21年度』(http://www.city.sapporo.jp/st/kotsu_jisshi_plan/kotsu_jisshi_plan21-1.pdf / リンク切れ)であり、その8ページの「新型車両の導入」の項目によれば、「23年度までに3編成を更新する計画」があり、「今年度は、1編成の新型車両を導入する予定です。」と記載されています。
2009年現在で4編成が在籍していましたが、更新する編成は3編成だと書かれているため、もしかしたら最終的にもう1編成が削減されるのかもしれません。 (以前、私のサイトの掲示板の「3000形の置き換え」のスレッドで、Twilightさんからそのような趣旨のご指摘を受けました。どうもありがとうございます。) 私の予想では、恐らく今年度から3000形を1年あたり1編成のペースで置換していくのではないかと見ております。 3000形が廃車されるのは残念ですが、仕方ないですよね.....
なお、302号車は2011年 3月25日(金)の23列車、303号車は 2月20日(土)の14列車としての運行を最後に、南北線の本線上から姿を消しました。 5000形518・519号車の投入による編成数余剰により車籍を抹消されたものと思われます。 303号車の廃車体は米里のとある工場に持っていかれ、付近の高速道路上から確認できたらしいです。
R.S.が撮影した写真は、[]のアイコンで表します。 なお、一部の写真は、べるずさん[]・トレインボーイさん[]・テンテンさん[]・305号車さん[]・コデーラさん[]・sumikawaさん[]・6101さん[]・虎根さん[]・南郷さん[]・でらっちさん[]・サクさん[]提供の写真です。 この場を借りて、深く御礼申し上げますm(__)m
となっている号車は、走行音も試聴できます。