ICカード

札幌市営地下鉄で使われるICカード(S.M.A.P.カード・SAPICA)について説明します。 ウィズユーカード等に関しては、磁気カードのページをご覧ください。

なお、このページに掲載しているICカードの画像に関しては、Naokiさんに提供していただきました。 提供していただきまして、どうもありがとうございましたm(__)m

S.M.A.P.カード

初期のS.M.A.P.カードです。[Naokiさん提供] 定期券実証実験の際に用いられたS.M.A.P.カードです。[Naokiさん提供]
(左:初期のS.M.A.P.カード 右:定期券実証実験の際に用いられた、券面印刷対応のS.M.A.P.カード[いずれもNaokiさん提供])

ICカードの導入に際して、札幌市において先進的なICカードの導入実験が1990年代後半から始まりました。 これは、導入実験ではありましたが、JR東日本が導入し、現在交通系ICカードとしては最も多く使われているであろうSuicaの導入よりも先に行われたことです。 札幌がICカードの本格的な先進導入都市になるのかと思いきや、技術の進歩は速く、気付けば既にS.M.A.P.カードは時代遅れとなっていたのです.....

概要

S.M.A.P.カードは、1999年11月から総務省管轄の「通信・放送機構(TAO)」によるICカードの導入実験に用いられたカードです。 (ただし、2004年に通信総合研究所と統合され、現在は「独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)」になっています。) なお、S.M.A.P.はアイドルとして実在するSMAPとは一切関係なく、Sapporo Multi Access Portの略称です。

このカードは、先述の通り通信・放送機構のICカード導入実験に伴うもので、札幌市交通局が独自に導入実験を行ったわけではありません。 (以前、札幌ではS.M.A.P.カード以外にもSAPPORO CITY CARDなど、いくつかのICカードの導入実験が行われていました。) ただしICカードの運用は、SAPICAと同様に札幌市の第3セクターの「札幌総合情報センター株式会社」が行っていました。

このカードは当初札幌市営地下鉄の東西線のみ利用でき、一部のカード対応改札機を改造してICカードリーダーが設置されていました。 (このICカードリーダーは、後述のSAPICA運用開始前まで設置されたままになっていました。) また、電子マネーの残高(バリュー)の確認やチャージができるように、一部の駅で券売機とは別に確認またはチャージする機械も設置されていました。 (こちらは、導入実験終了と同時に全て撤去されました。) ただし、精算機はICカード用に改造しなかったため、出場時に電子マネーの残高が地下鉄の乗車料金より少ない場合においても、改札を出場することができました。 (不足分は、後日チャージした際に差し引かれました。)

その後、このS.M.A.P.カードは実験の幅を拡大していき、南北線・東豊線も含めた札幌市営地下鉄全駅及び市電の一部車両でも利用可能になりました。 また、一時的に普通乗車券だけでなく、S.M.A.P.カードによる定期券の実証実験も行われていました。 さらに、S.M.A.P.カード内の電子マネーを使える自動販売機が設置されたり、ごく一部の売店で電子マネーを利用することができました。 地下鉄の利用額に応じてポイントがたまるS.M.A.P.マイレージもあり、貯めたポイントは共通ウィズユーカードに交換できました。 S.M.A.P.カードがクレジットカードと一体となって複合化したり、利用額を気にせず後日にまとめてクレジットカードで支払うポストペイの実証実験も行われました。

.....このように、数々の先進的な実証実験を行ったS.M.A.P.カードでしたが、何故か突如2005年に実験を終了しました。 その後は札幌におけるICカード化に関する動きが一時停滞していましたが、ついに札幌市交通局でもSAPICA(サピカ)というICカードを導入することになりました。

購入場所

このカードはICカードのモニター用だったため、通常は購入することはできませんでした。 (S.M.A.P.カードのモニターとして申し込む必要がありました。) モニターには適宜カードが郵送され、概要の項目に示したような実証実験を行っていました。

料金

モニター用ですので、カード取得に必要な料金はかかりません。 SAPICAのモニターの時とは異なり、最初から1,000円がチャージされた状態でモニターに頒布されたようです。

残高が不足した際には、基本的にはSAPICA同様現金をチャージしていました。 ただし、先述のとおり精算機にはS.M.A.P.カードのリーダーは設置されなかったため、出場時に残高不足であった場合でも改札を出場することができました。

有効期限

定期券実証実験の際に用いられたS.M.A.P.カードの裏面です。[Naokiさん提供]

(左:定期券実証実験の際に用いられたS.M.A.P.カードの裏面[Naokiさん提供] 初期のS.M.A.P.カードも、有効期限の欄の日付が異なるものの、ほぼ全く同一のデザインだった(右上にある3本の縦線は無かった)。)

なお、S.M.A.P.カードにはカードごとに有効期限が定められており、当初頒布されたカードの有効期限は2008年 3月31日()までだったようです。 しかし、定期券実証実験の際に用いられたS.M.A.P.カードの有効期限は2004年 3月31日()までとなっていたようです。

利用方法

このS.M.A.P.カードは、ICカードに対応した改札機及びチャージまたは残高を確認する機械、一部の自動販売機やお店で利用することができました。

地下鉄の改札機で利用する場合

通常は、駅に入る時・出る時共にカードリーダーにタッチするだけで通過することができました(IC定期券の場合も同様です)。 ウィズユーカードとは異なり、残高不足の場合でも改札を出場することができました。 (残高がマイナスになった場合は、後日チャージした際にその分が差し引かれていました。)

なお、改札を出場する際にS.M.A.P.マイレージと呼ばれるポイントが溜まりました。 このポイントは共通ウィズユーカードに交換することができました。

ちなみに、地下鉄の券売機・精算機ではICカードを利用することはできませんでしたが、大通駅など一部の駅に残高が確認できる機械やチャージができる機械も設置されており、そこで残高確認やチャージを行うことができました。 (ただし、これらの機械はモニターによる実証実験終了後に全て撤去されました。)

バス・市電で利用する場合

バスにおいては、券面印刷対応のIC定期券を利用する場合のみ、従来の磁気定期券同様に運転手に提示することによって利用できました。 市電においては、定期券の情報を用いない通常利用の場合はカードリーダーにタッチすると市電の料金が引き落とされ、定期利用の場合はカードリーダーにタッチせずに運転手に提示することによって利用できました。

S.M.A.P.カード対応の自動販売機・店舗で利用する場合

一部の自動販売機に関しては、カードリーダーにタッチすれば残高が認識され、飲み物を購入することができました。 また、さっぽろ地下街のごく一部の店舗においても、ICカードの残高で決済することができたようです。

利用可能な路線

モニター開始当初は札幌市営地下鉄東西線のみでしか利用できませんでしたが、その後札幌市営地下鉄・市電全線に拡大し、バスも乗継定期券のみ利用できるようになりました。

その他

印字対応のIC定期券による実証実験を行った際は、「通勤1,3か月定期」のうち「地下鉄のみ」「地下鉄+バス」「地下鉄+市電」のパターンの定期券のみ発券できたようです。 厳密には、乗車する交通機関ごとに「1モード」として数え、2モード以内のもののみ対応していたようです(例えば、「地下鉄のみ」だと1モード、「地下鉄+バス」及び「地下鉄+市電」だと2モード、「地下鉄+バス+市電」だと3モードになります)。 2モード以内であっても「バスのみ」「市電のみ」の定期券は発券できず、3モード以上のものも発券できなかったようです。

また、このIC定期券の発券方法がユニークで、新規に定期券を購入すると★マークが付いた定期券の継続購入・払戻・経路変更用の専用磁気券も渡されていたようです。 (もちろん、その磁気定期券だけで何らかの交通機関に乗車することはできません。) なお、磁気定期券からそのIC定期券に変更する際は、再発行手数料(200円)を払う必要があったようです。

SAPICA(サピカ)

SAPICAに関しては、SAPICA公式サイト(→http://www.sapica.jp/)に図入りである程度詳しく使い方などが書かれていますので、時間不足もありまして、現時点ではSAPICAに関する概要のみ掲載したいと思います。 今後少しずつ項目を増やしてまいりたいと思いますので、しばらくお待ちいただければ幸いですm(__)m (なお、下記に掲載しているSAPICAの画像も、Naokiさん提供のものです。改札機の1枚目の画像はGASSYさん提供のものです。 それ以外は私が撮影したものです。)

概要

札幌市営地下鉄に新しく導入されたSAPICA(SAPICA)です。記名式だと、写真に示した通りのような形で券面に名前が印字されます。[Naokiさん提供]

2009年 1月30日()から、札幌市営地下鉄にICカード「SAPICA」(サピカ)が導入されました。 このSAPICAの名称は名称候補の中から札幌市民の公募によって選ばれ、「サッと取り出して、ピッと利用できるSapporo(さっぽろ)のICカード」という文章に由来しています。 (少々強引な気もしますが.....)

このICカードは総務省管轄組織の実証実験ではなく、札幌市交通局が主体となって導入しようとしているICカードです。 そのため、2007(平成19)年11月 8日()に札幌市、ジェイ・アール北海道バス、じょうてつ、北海道中央バスの4者で構成する「札幌ICカード協議会」を設立しました。 ただし、ICカードの運用は、S.M.A.P.カードの時と同じく第3セクターの「札幌総合情報センター株式会社」が行っております。

本来は、ウィズユーカードと同様に札幌市内の民間バスでも利用できるようにするだけでなく、JR北海道が2008年10月25日()に開始しようとしているICカード「Kitaca(キタカ)」と相互利用できる予定でした。 そのため札幌市とJR北海道との間で話し合いが持たれましたが、紆余曲折がありまして、導入開始時のKitacaとSAPICAとの相互利用は断念されました。 バス・市電におけるICカードの利用に関しても導入開始当初は利用できず、結局最初は札幌市営地下鉄のみ対応となりました。

尚、2013年 6月22日()以降は、下記に示す「交通系ICカード」とも片利用しています。 (SAPICA以外の下記に示すカードが、SAPICAエリア(JR東日本のSuica札幌エリア)をそのまま利用できます。 モバイルSuica/モバイルPASMOも含みます。) 乗継割引はSAPICAと同様に乗継条件を満たしていれば適用されますが、SAPICA電子マネーは利用できません。

また、SAPICAについては、これらのICカード発行元のエリアを利用することはできません。 (例えば、SAPICAを用いてJR北海道のKitacaエリアに乗車することはできません。)

その後、下記に示すようにSAPICAのサービスが拡大してきました。 (主なもののみ記載)

発券種類はJR北海道のICカードKitacaと同様に「無記名SAPICA」「記名SAPICA」「SAPICA定期券」の3種類となっております。 (子ども・福祉用は、記名SAPICAまたはSAPICA定期券のみとなっております。) 最初に購入する場合は、クレジット一体型SAPICA等の一部例外を除き、電子マネー(バリュー)1,500円+デポジット500円の計2,000円が必要です。

無記名SAPICA及び記名SAPICAの大人用はタッチパネル式の券売機か定期券発売所、記名SAPICAの子ども用は駅事務室か定期券発売所で購入できます。 無記名SAPICAまたは記名SAPICAに定期券機能を付加したものがSAPICA定期券で、通勤SAPICA定期券はタッチパネル式の緑の券売機か定期券発売所、通学SAPICA定期券は定期券販売所で新規購入できます。 継続は原則定期券発売所で行いますが、通勤定期券や、4月をまたいでいなく仮発行にもなっていない通学継続定期券に関しては、各駅のみどりの券売機で購入することもできます。 (ただし、どの券種であっても代理人が購入したものは定期券販売所でないと発券できません。) 期限切れの定期券に記録されている同じ経路で新たに購入しなおす場合(経路引継)に関しても、ほぼ継続と同じ扱いになります。

SAPICAには、実際に乗車券部分において乗車、精算または磁気券を購入した額に対して、一律10%のポイントが付与されます。 (何故ポイント制を採用したのかは、後述のJR北海道(Kitaca)との関係をご覧ください。) ただし、このポイントはウィズユーカードのプレミアの代替ではあるものの、ウィズユーカードでは10,000円券で15%のプレミアが付与されていたことから、ウィズユーカード利用停止までは10,000円件を利用する人は一定数存在しました。

実際にSAPICAを運用してみたものの、当初の売れ行きは下記の理由により、JR北海道のKitacaを打ち負かすほどではありませんでした。 ただし、2015年 3月23日()に、運用枚数100万枚を突破しています。 (→札幌ICカード協議会の「SAPICAの運用枚数が100万枚を突破しました」のリリースを参照)

2020年現在においては、原則全券売機・改札機・精算機がSAPICA対応となっているため、特に混乱は生じておりません。 また、オートチャージ(一定額以下になった際にクレジットカードから自動でチャージしてくれる)に対応したり、先述したSAPICA定期券の券売機での購入が可能になったり、オータムフェストなどのイベントや、地域の商業施設とタイアップを行ったり等もしています。

JR北海道(Kitaca)との関係

札幌市交通局が導入したSAPICAは、将来的に札幌市内の図書館の貸し出し券としての機能を付与する等、SAPICA1枚で札幌市の行政サービスを賄おうとする、まさに札幌市民向けのカードにしようという構想があり、JR東日本のSuicaと共通利用することを優先し、JR東日本との関係を保ちつつ関東を中心に多く存在するSuicaのユーザーを獲得しようとしたと思われるJR北海道のKitacaとは、実際の運用における考え方に差異があるものと思われます。(※表向きの理由)

また、SAPICA導入当初においては、札幌市交通局とJR北海道とで平行して営業している区間(さっぽろ~新さっぽろ間など)で運賃に開きがあったり(札幌市営地下鉄のさっぽろ~新さっぽろ間は310円なのに対し、JR北海道の札幌~新札幌間は260円)、従来から両者間での乗継割引は行われていないなど、運賃の取り扱いが異なることから、先程挙げた運用の考え方の違いも含め、相互利用に対する主な壁になっているものと思われます。

ただし札幌市交通局・JR北海道は、2019年10月 1日()に運賃改定を行っております。 札幌市交通局に関しては純粋に、消費税増税に伴う料金増加分の転嫁目的によるものです。 ただしJR北海道に関しては、運賃増加分の転嫁目的もありますが、石勝線火災事故以降経営状態が苦しい状態となっており、初乗り運賃含めて値上げ幅が大きくなっております。 本改定により、地下鉄・JR並行区間に関しては、JRとほぼ同額か、JRのほうが高くなってしまいました。

なお、KitacaはJR東日本からSuica系のICカードとしてのライセンスを受けたうえで運用されていますが(もちろん、日本における乗車券関係の規格(サイバネ規格)に対応しています)、SAPICAはサイバネ規格には順序しているものの、Suica系のICカードではない為、暗号鍵がSuica系のものと異なるので、互いのカードを重ねても干渉せずに(エラーが出ることなく)利用することが可能でした。 (ただし、Suica系のICカードの中には、Suica系のICカード同士での2枚重ね[アンチコリジョン]に対応しているものもあるみたいです。)

ただし、本仕様がSAPICAエリアで他のSuica系交通系ICカードを利用する際の妨げになる(どちらを優先利用すればよいのかの判別ができない)為、先述の交通系ICカード片利用開始の前に、2枚重ね利用は不可能となりました。

ただし、札幌市交通局のSAPICAも、JR北海道のKitacaも、一応将来的に相互利用されることを想定した仕様になっています。 SAPICA側では従来のウィズユーカード及び地下鉄専用昼間割引カードにおいて付与されていたプレミアは廃止したものの、ポイント制にすることにより、10%のプレミアが付与されているのと実質同じような状態にするのと同時に、乗車券の部分とポイント部分を分離することにより、乗車券の部分しか持たないKitacaとの相互利用に極力影響を及ぼさないように配慮されています。 Kitaca側では、札幌市営地下鉄と同名の駅であるJRの「白石」・「琴似」の両駅について、あえて「JR白石」・「JR琴似」とKitaca内の利用履歴に残すようにしています。 (SAPICAを札幌市営地下鉄の白石・琴似駅で利用した場合は、単に「白石」・「琴似」としか残りません。)

券売機・改札機・精算機の新設・改造・配置転換について

2009年 3月31日に北18条駅に新設された1番ホーム側エレベーター専用出口です。SAPICA対応の券売機・改札機・精算機が勢ぞろいしています。[2009年 4月 1日撮影]

写真は、2009年 3月31日に北18条駅に新設された1番ホーム側エレベーター専用出口です。 狭いスペースの中、SAPICA対応の券売機・改札機・精算機が出揃っています。 通常、駅員が配置されていない改札口の券売機は、定期券が発券できない機種が配置されますが、北12条・北18条のエレベーター専用出口のみ何故か定期券対応機種が配置されています。 (北大生の利用を想定しているのでしょうか.....?)

現在、SAPICA対応の券売機・改札機・精算機を徐々に増やしているところです。 具体的にどのような流れで増やしているのかを見ていきたいと思います。

券売機の新設・改造・配置転換

2009年 3月31日に中島公園駅に新設された南改札口の券売機です。緑色の左2台が定期券対応タイプ、右の1台が定期券非対応のタイプです。[2009年 4月 1日撮影]

2007年初頭から、写真の一番右側のタイプの新しいタッチパネル式の券売機の導入が始まりましたが、2008年からはさらに導入が加速され、写真の左・中央にある緑色のタッチパネル式の券売機も導入されるようになりました。 緑色のものが定期券対応(恐らく日本信号のMX-7)で、そうでないものは定期券非対応(恐らく日本信号のSX-7)のモデルになっています。 2010年1月現在においては、券売機の新設・改造・配置転換は行われていない模様ですが、恐らく今後も随時写真に示したモデルが導入されるのではないかと思われます。

また、宮の沢延伸開業時に製造された、プラズマディスプレイで傾斜しているタイプの券売機についても、改造によってICカードリーダーが設置されました。 ですが、ウィズユーカードに最初に対応した機種については、そのような改造は行われないまま全機淘汰されました。

改札機の新設・改造・配置転換

改札機に設置されたICカードリーダーです。[2008年 8月 8日撮影 GASSYさん提供 ぷらさーず(R.S.のブログ)で2008年 8月 8日に撮影した写真と同一] 東西線ひばりが丘駅にある改札機です。左がSAPICA専用改札機、右が今までの改札機です。[2009年12月 6日撮影]

改札機については、改札機上部にバーがある機種(恐らく日本信号のGX-5)についてはS.M.A.P.カードの頃のICカードリーダーが設置されたままになっている機種と、元々ICカードリーダーが設置されていない機種とがありました。 その後、2007年初頭から適宜新型の改札機の導入が行われましたが(バーなしのモデルで、恐らく日本信号のGX-7)、そのときはどの機器もICカードリーダーは設置されていませんでした。

SAPICA対応に伴い、2008年 2月から改札機の改造が開始され、S.M.A.P.カードの頃とは異なるICカードリーダーが次々設置されていきました。 なお、左の写真はGASSYさん提供のもので、2008年 8月 8日にぷらさーず(R.S.のブログ)で掲載したものと同じです。

その後、2008年 8月から一部の駅のICカードリーダーが稼働を開始し、追ってモニター試験が行われました。 また、SAPICA運用開始前に、SAPICA対応の既存の改札機にはピンク色のシールが貼り付けられ、対応機と非対応機の区別がすぐつくようになりました。 そして、2009年 1月30日()からSAPICAの運用が本格的に開始されました。

現在は全駅においてICカードリーダーが設置されている改札機があります。 ただし、改札機に関しては導入コストの問題からか、当初は一部を除いて各改札口ごとに2基程度しかSAPICAに対応していませんでした。 しかし、2009年12月頃からSAPICA専用改札機の導入を開始しており(右の写真)、2009年度中に ほぼ全ての駅において専用改札機を100台導入しました。 詳細は下記のリンクを参照して下さい。 (各駅ごとに導入予定日や台数まで表で示されています。)

  • (参考)ICカード(SAPICA)専用改札機の導入について(札幌市交通局公式サイト内) : http://www.city.sapporo.jp/st/subway/subway.html (リンク切れ)

精算機の新設・改造・配置転換

東西線宮の沢駅にある精算機です。右下にSAPICAのチャージが行える装置が設置されています(同じものが、タッチパネル式でない傾斜型の券売機にも設置されてきています)。[2008年 8月18日撮影]
(宮の沢延伸時に導入されたタイプ。右下に後付けのICカードリーダーが設置されている)

精算機については、2007年初頭から導入を開始したタッチパネル式の精算機(恐らく日本信号のAX-7)は、元々ICカードに対応していたものと思われますので、恐らくソフトウェアの更新のみで済んだのではないかと思われます。 一方で、宮の沢延伸時に導入されたプラズマディスプレイで傾斜型のタイプ(上の写真)のものは、元々ICカードには対応していなかったものと思われますので、写真のように後付けでICカードリーダーが設置されました。 それ以前に導入されたウィズユーカード対応型の比較的躯体が大きい機種については、ICカードに対応しないまま全機淘汰されました。

券売機は高額紙幣(5,000円・10,000円)も利用可能ですが、精算機は新型機種(AX-7以降の機種)においても1,000円札のみ利用可能です。 高額紙幣につきましては、引き続き駅員を呼び出して両替しなければなりません。

尚、現金で不足金額を精算するだけでなく、ICカードに対してチャージを行うことが可能です。 チャージはSAPICAだけでなく、SAPICAエリアで対応している他の交通系ICカードのプリペイド領域へのチャージも可能です。 (ただしカードを挿入・チャージ時に固定するタイプとなっている(置型ではない)為、モバイルSuica/モバイルPASMOへのチャージは困難です。)

ICカード専用チャージ機の導入

レシップ社製のSAPICAをイメージしたピンク色の縦長の躯体であり、2020年現在は改札内/改札外両方に設置されております。 従来精算機を設置していたところに対し、本ICカード専用チャージ機を設置している例もあります。 チャージの取扱対象については、精算機と同様です。

最終更新日 : 2020年 5月10日()
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